にこいち育児

楽しむ育児を目指すポンコツふたり

育休中に両親・乳児連れで1か月くらいヨーロッパに行ったこと

今回いいたいこと

(せんたうろ)
スペインやフランスなどを家族で自動車旅行したので、その内容を書きます。長いです。助けたり助けられることで仲良くなるので、周囲を巻き込むために、育休期間中こそ一緒に長旅するべきかも

今回の旅行の雑記一覧(スペイン・アンドラ・フランスぐるぐる雑記

目次

 

旅行のメンバー

今回の旅行は乳児連れの私たち夫婦がスペインのイベントに参加するというところからスタートだったので、私たち夫婦以外に、子供をみてくれる人がいることが前提になりました。

すでに定年退職している私(せんたうろ)の両親を連れて行けば、乳母さん代わりになる、ということで打診したところ、父は多少しぶったものの、遊び好きの母に背中押されて了承してくれたので、この旅行においては大人4人に乳児1人(生後半年)という構成です。

大勢で行けるのは費用対効果があがって良い一方、メンバーが増える分、構成員のスケジュール調整の問題が出てくるので、飛行機代が安い時期を見つつメンバーにとって問題のない期間を決めるのに、少し時間がかかってしまいました。

(たんご)
鬼嫁なので、立ってる者は舅姑でもこき使うよ

(せんたうろ)
仲良くやってね・・・。

両親を連れて行くという選択は、結果的に、まだ生後半年で何かと手がかかる孫娘にジジババとして関わらせるいい機会になったようです。特に「自分の子供たちが赤ちゃんの時にアレコレ世話をした記憶がない」と言っていた父の方は、母とセットで乳児を任されたため、帰国する頃には進んで面倒をみるようになっていました。関わった分だけ思い入れが大きくなるのがヒトだと思うので、娘にとっても両親にとってもよかったと思います。

日常では夫婦でどうにかこなしてしまえるシチュエーションが、海外だと勝手が全く違うため、手助けを必要とすることがすごく増えます。運転中などは、私(せんたうろ)が運転し、妻(たんご)が助手席でナビをし、両親は後部座席で娘の面倒をみる、という配置で、これはあとから考えれば、この選択以外になかったなと思えるほど、「これでギリギリ、状況をハンドリングできる」という環境でした。

 

車の手配

今回、少し特殊だったのは、いろいろ構想が膨らんでしまったため、スペインの僻地やフランスのパリなど、「電車やバスでも行けるけど、車あった方が郊外に宿をとれるため、安く済んで移動も楽だよね」という内容になってしまったこと。また、乳児、65歳を越えた老齢の両親を連れているため、特に治安が悪化しているバルセロナの人混みは危険という判断もあります。そんなわけで、今回は全行程をカバーする28日間のレンタカーをバルセロナで契約することにしました。

(せんたうろ)
オートマ車のレンタカー、マニュアル車の倍ぐらいする・・・。

(たんご)
マニュアルでいいんじゃない?私できるよ。出張とかでやってたし

(せんたうろ)
ええ・・・。

rentalcars.comなどで検索したら現地のレンタカー会社が安かったので、その会社のサイトで乳児込み5人が乗れる「fiatのtipoレベル」ということで手配したんですが、結果来たのはhyundaiのkonaでした。

 

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(せんたうろ)
何レベルやねん!

hyundaiかあ・・・。とぶつくさ言っていましたが、終わってみると、そこまで悪い車とは思えませんでした。故障も事故も起きませんでしたし。なお、ひとの運転が怖いので、運転はほぼ全部私(せんたうろ)がしました。

面白いな、と思ったのは、今回、レンタカー会社側は貸す時も受け取る時も全く車体の傷チェックをしなかったことです。バンパーの小さな傷などは、ネットの話を読む限り、ヨーロッパではごく一部の国(ドイツなど)でのみ気にされている印象です。パリやバルセロナの縦列駐車をみていると、そうなるのもある意味当り前な気はしますが。ただ、距離数が1日あたり100kmという契約で、国境を越えるオプションなどはつけていたのですが、今回、28日間のレンタルなので2,800kmの制限を1,700kmオーバーする4,500km走行したため、200ユーロの超過料金を返却時にとられました。

 

乳児連れがスペイン・フランスで運転する難易度

昨年もスペイン・アンドラを運転したとはいえ、マニュアル車はここ8年ほど全く運転してなかったので、マニュアル車を借りることにものすごく抵抗があったんですが、当初考えていたほどは大変ではありませんでした。

(たんご)
エンストしてたやん!

(せんたうろ)
あれは通過儀礼だから・・・。

スペインもフランスも高速道路では追い越し車線はみんなちゃんと走行車線にさっさと戻るし、歩行者優先がきっちり守られてたり、運転する環境がよかったということもあります。「みんなこんな狭い駐車スペースに上手に停めるし、運転うまいなあ」などと言った翌日に隣のレーンで追突多重事故が発生したり、ウィンカーの出し方がめちゃくちゃだったりしたので、あまり良くいうのもなんだかなという気はしますが。フランスの下道などは、制限速度がいくつか、というのが分かりづらい場所があったので、基本的に前の車と同じスピードで走るようにしていました。調べてみると、フランスの標識が実際の制限速度と合致してないという珍妙なことになっているようなので、ひょっとしたらわが家にも違反通知がくるかもしれません。頑張って標識探して運転してたんですが・・・。

子連れという点で車に影響があるのは、積まなきゃいけない物がいっぱいでてくる点と、チャイルドシートを乗せなければいけない点です。わが家では、チャイルドシートと、それをのせられるベビーカーを日本から持っていきました。

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駐車スペースで困るのは定番

あと、フランスの駐車スペースについてはよく狭いと言われるところですが、スペインにしたところで駐車場への入口も、駐車場の回廊も狭いです。車幅感覚すごすぎぃ・・・。また、駐車場の車高制限では1.8mところが多かったので、借りた車は車高低い車でよかったと思いました。

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地下駐車場などはチケットが入口で発券されて場内で精算機が置かれているものが多く、支払いもチケットの後にクレジットカード入れるものが多かったため、マニュアル車ではチケット取ったり入れたりするのに苦労はしても、さほど頭を悩ませることはありませんでした。ところが路上駐車は、白線や緑線など、その場所によって「在住者のみ」など何かしらの意味が設定されており、一見さんである観光客が雰囲気で使える感じではありません。私たちは地元民と思しき人に聞いたり、google翻訳アプリを駆使してどうにか説明書きを読み取ったりしていました。

 

飛行機の手配

ヨーロッパへの航空便は、中東の3社(エティハド、エミレーツ、カタール)が安いというのは定番で、それぞれ定期的にセールをやっているので日程さえ決まっているならセールを待てばいい、んですが、わが家は日程が決まるのが遅く、タイミングよくセールもなかったため、ちょっと苦労しました。結局グーグルフライトで渡航可能な期間で安い日程を、スカイスキャナーで実際のプランを探しました。国際便は2歳以下は無料なので、最終的に大人4名乳児1名で33万円、大人ひとりあたり8万円程度でHISからエティハド航空の席を購入することになりました。ここで面白かったのは、スカイスキャナーなど仲介サイトを通さずにHISのサイトで直接探したら値段下がるかな、と思ったんですが、HISのサイトでは購入したプランが出てこなかったことです。

(たんご)
エミレーツは乗ったことないけど、カタールの方がコスパ的には良かった気がするね。

(せんたうろ)
中継地点のアブダビがあんまりイケてなかったからね・・・。
でもバシネットの席も用意してくれたのでよかったじゃん。ベビーミールって離乳食もくれたし

(たんご)
次があるなら、もうバシネットは無理だね。うちの子、サイズギリギリだったし

 

エティハド航空でのバシネット右往左往

エティハド航空では、パスポート番号等を事前にネットで登録する必要があったんですが、その際、無料のバシネット(乳児用かご)を使うというオプションが出てきたので登録していました。ところが、出発2日前に座席を詳細に確認すると、バシネットの利用ができない席が割り当てられていたため、泡を食ってエティハド航空に電話で問い合わせ(英語のみ)したのですが、「当日、空港のデスクで申請して」とのこと。「席そんなに埋まってないから大丈夫」とも。

座席確認ページでみると、バシネット席はすべて埋まっていました。そもそも、エティハド航空のサイト、サファリやiOSアプリなどでは登録必須の電話番号記入欄が潰れていて、IEから登録するまで必須情報が漏れている扱いで登録すらおぼつかなかったので余計に不安が募りました。

結局、当日フライト3時間前の空港デスクオープンに合わせて一番乗りしたらバシネット席は取れたのですが、「本当は別途お金とる席です」という無駄な情報が貧乏人には本当に無駄でした。つまり、話を総合すると、オプションで無料のバシネット席を申請していても、有料で買うつもりの人がいたとしても、当日のカウンターで調整するため、バシネット席のある足元が一番広い席は埋まっているように見せているという話だと思うのですが・・・、いろいろ無駄じゃなかろうか・・・。

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(せんたうろ)
使ってもしんどいけど、使わないともっとしんどいだろうね。うちの子はよく寝てくれてバシネット助かる部分が多かったけど、シートベルトサイン出たら座席で抱っこしなきゃいけないというのがまた面倒だった。帰りのバルセロナからアブダビの7時間なんてほぼシートベルトサインつきっぱなしだったし

(たんご)
あれ機長のサイン消し忘れじゃないかと疑ってるわ

 

宿(airbnb)の手配

今回、大人4名、乳児1名で車移動をするため、宿は大人数が泊まれて駐車場とキッチンがある場所が条件となり、自然な流れでairbnbで探すこととなりました。日程と人数の検索条件以外には無料駐車場にチェックを入れて、マップ画面にしてから行程に無理のない場所を選んでいきます。長期間、広範囲を移動するため、どこで無理をしてどこで休むかというのが課題でした。

実際は①スペインmarganell(7/11~7/16)②アンドラel tarter(7/16~7/23)③スペインla molina(7/23~7/29)④フランスpugnac(7/29~7/30)⑤フランスnantes(7/30~7/31)⑥フランスsains(7/31~8/1)⑦フランスparis(8/1~8/4)⑧フランスcommunay(8/4~8/5)⑨スペインviladrau(8/5~8/8)という行程になりました。金額は一泊あたり平均で15,000円程度という感じです。宿代は事前に前払いするのもあるので、どこかで事故ってたらその後の行程すべておじゃんというのが怖いですね。

(たんご)
ベビーベッドは必須だったね。

(せんたうろ)
割と貸してくれたけど、ないところでは・・・川の字が両親の堤防を表してるんだなと初めて実感したよ。

 

乳児のおふろ用品

おふろ用品も重要で、家ではリッチェルのおふろマットを使っていますが、かさばるので持って行けず、しかしおふろ台は必要なので現地でE.T.っぽいプラスチックの製品を16ユーロで買って使いました。ペラペラなのでどうにか車には積むことができましたが、飛行機で持って帰るほど愛着あったわけではないので、最後の宿に献上しました。なお、シャンプー等は大人用のものを流用。

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うわさの乳児用ミルクなどはどうか

ニュースなどで「ヨーロッパでは液体ミルクが一般的。なんなら駅とかにも売ってる」という話を聞いていたので現地で液体ミルクをさっと買えばいいや、と思いつつ日本からアイクレオをたくさん持って行ったのですが、正解でした。月齢によるんですが、スペイン・アンドラ・フランスの実体験としては、「品揃え豊富な大きなスーパーではまあまあ置いているところもある」という方が正確な気がします。

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どういうことかというと、スペインやフランスなどで売られている乳児用液体ミルクは月齢によって①0~6か月②6~10か月③10か月から3歳、と商品が分かれていて、③は大抵のスーパーに置いてあるくらい「一般的」なんですが、②はより限定的で、①はさらに限定的という感じでした。うちの子はちょうど旅行中に6か月になる月齢だったので、①は当初、探しても見つからず、②を前倒しで使うことで間に合わせました。

(※ イギリスでは月齢の区分もボトルサイズも、状況が少し違うようです。

(せんたうろ)
特にアンドラでは②さえなくて探しまくったね・・・。

(たんご)
量が多くて安いので手に入ればものすごく楽なんだけどね・・・。日本のメーカーにも量が多いタイプを出してほしい

これは推測なんですが、ボトル式のものは開封後速やかに飲むことが前提にされているからかキッチリ締めなおせる構造になってません。区分ごとに容量のサイズを変えていることからも、保存前提ではないことがうかがえます。月齢が低く飲む量が少ない子は、最低ラインの200mlなどのボトルでももてあまし、また粉ミルクの方がコスパがいいことから、そのニーズ自体が少ないと思うので、スーパーの側も在庫をもたないようにしているのかもしれません。

日本では災害用にも使えるという認識がありますが、地震が少ないヨーロッパではその意識は低い気がします。日本より安いとはいっても、全部液体ミルクにすると1日1ユーロ程度はするので、完全母乳の方が「安い」といえばそのとおりですし。ちなみに我が家は今や完全ミルク。

なお、前述のイギリスについてのサイトでは「ヒースロー空港は厳しいので、100ml以上の液体ミルクは没収されないようにセキュリティチェック後に買うべき」と書かれていますが、バルセロナ空港では1リッターボトルを2本、セキュリティチェック受けて「レーチェ(ミルク)?」と聞かれましたが、赤ちゃん用ミルクなら問題ないという風情でスルーしてくれました。

ちなみに、紙オムツはパンパースなどがあり全く困らなかったんですが、おしりふきだけはどの製品も匂いが強かったり泡がでてきたり閉口してしまいました。

 

物価はどうなのか

ガソリンはリッター1.5ユーロ(約179円)からなので日本より高い。高速代はフランスなどは高く感じた。スーパーの果物、例えばプラムなんかはkgあたり1.4ユーロ(約167円)とかなので安い。加工済みの鳥の丸焼きなんかも7ユーロ(約836円)程度で安い。外食などのサービス料が入るとふつうに高い。(今回一度もチップは出さなかった)高速のパーキングで売ってるのはスーパーの2倍の値段。

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スーパーでこのくらい買って77.18ユーロ(約9,225円)

 

行ってよかったところ

全部よかった、というと締まらないので、限定すると、宿としてはスペインはmarganell(マーガネル)、フランスはpugnac(ピュニャック)が好きでしたが、観光地としてはスペインならモンセラート、フランスならナント島のマシンが非常に気分が高揚しました。

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モンセラート

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ナント島のマシン

 

結局1か月の旅行、いくらかかったのか

細かい取りこぼしはあると思いますが、宿、飛行機、ホテル、レンタカー、食費、乳児用品など全部含めて約130万円。大人4名で割れば32万5千円。当初は100万円で収まるかと思っていたので、結構かかったなーと思いますが、大人4名が窮屈ではないところに泊まれて行きたいところにそれなりに自由に移動できて、食事も基本自炊でしたが美味しいものが食べられたので、まあ満足。

(せんたうろ)
うちの家系はソムタム・・・じゃない忖度の文化なので、黙ってたら応分のお金払うって両親が言ってきてくれましたよ

(たんご)
こっちから出してくださいって言おうかと思ったわ

(せんたうろ)
(うちの場合、逆に黙ってた方がスムーズに動いてくれるというのは論理的に説明しづらいな)

(せんたうろ)
両親とも稀有な体験ができたと満足したようだし、こちらも育児的にも助かったのでwin-winですね

 

(本文おわり)

 

余談:ヨーロッパのはちみつ事情はどうなっているのだろうか

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6か月からとあるオーツミルクに、堂々と「はちみつ入り」と書かれていることにビビる。

 

余談:宿でどうしても精神的に削られるポイント

DIYに毛の生えたような家にも泊まりましたし、耐震性どうなの、というくらい人が歩いただけで床が揺れるところも我慢できますが、ほぼすべての宿で共通する許せない項目は、水回りが適当なところです。特にトイレットペーパーホルダーがほぼないこと。あった場合も向きがさかさまだったりします。

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タイトル「ああ許さなだ」

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エル、知ってるか。フランスのトイレは内側に鍵がつく。サムターンじゃないぞ