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来年4月に復帰予定のたんごです。そろそろ娘の保活しなきゃなと動き出しました。現在は義両親と千葉に住んでいますが、復帰に合わせて会社に近い都内に戻る予定です。そこで見つけたのが東京都のベビーシッター利用支援事業です。調べれてみるとこれはかなりヤバイ事業だということがわかってきました。
- 東京都のベビーシッター利用支援事業とは?
- 今までの利用者数はたったの8人
- 実質負担額はかなり高くなる
- 雑所得扱いはかなりヤバイ?
東京都のベビーシッター利用支援事業
ベビーシッターは相場2,000-3,000円と言われてますが、これがたったの250円で受けられるというのが都の新しい待機児童対策です。
東京都福祉保健局のサイトには詳しいパンフレットが掲載されており、詳細が書かれています。これフルタイム160時間で250円/時のベビーシッターをたった月40,000円で利用できることになります。年収によっては保育料は月8万円というのもありますから、これめちゃくちゃすごいいサービスなわけです。
お子さんが保育所等に入所できるまでの間、保育所等の代わりとして、東京都の認定を受けた 認可外のベビーシッター事業者を1時間250円(税込)で利用できる事業です。
利用可能時間
月曜日から土曜日までの午前7時~午後10時までのうち、 〈 保育短時間認定の方 〉…1日8時間まで かつ 月160時間まで 〈 保育標準時間認定の方 〉…1日11時間まで かつ 月220時間まで
今までの利用者数はたったの8人
しかし、なんだが雲行きがあやしい。なぜか昨年は8人しかつかっていないと。そこで参加している子育てオンライングループに聞いてみると「使おうとしたがベビーシッタの数が少なくて、週1くらいしか頼めなくて使えなかった」なる話が上がってきました。そうこうするうちに、ベビーシッターのマッチングサービスの大手キッズラインもこのサービスの対象になると聞いて、ならば来年度は結構いけるのではないの?と思ったわけです。そうなると早速、市区役所窓口に聞きに行こうと夫と出かけました。
利用者が少ない理由を窓口で聞いてみた
我々はまだ千葉にいるため、東京に住むものの、まだ住む土地を決めていないため3つの役所の保育課にいって直接聞いてみました。この制度は対象市区が決められており9月15日現在では下記のエリアしか対象になっていません。
本日現在、新宿区、台東区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区、板橋区、葛飾区、三鷹市、府中市、国立市、福生市、東大和市が本事業を実施しています今後の実施を予定している区市町村もありますが、都内すべての区市町村が実施するわけではありません。お住まいの区市町村が、今後、本事業を実施する予定があるかどうかは、区市町村の保育主管課に直接お問い合わせください。
我々が問い合わせたのは対象と対象ではない両エリアの役所の保育課です。最終的に住む場所が対象ではない場合は今後直談判して、助成制度を始めて欲しいとお願いするつもりでありました。
とある助成導入済の保育課でネットに掲載されているパンフをいただき説明を聞きました。そこでなぜこんなにサービス利用している人が少ないの?と率直に聞いたところ、びっくりする回答が帰ってきました。
役所の人「いろいろ理由はありますが、確定申告で雑所得になりますしね。」
たんご&せんたうろ「は?雑所得?」
役所の人「公費で負担した金額すべてが雑所得になります」
せんたうろ「その分所得が上がって、追加納税ということですか?」
役所の人「そうです」
たんご&せんたうろ(社会保障受けたら税金があがるって何!!!)
よくパンフレットを見直すと確かにQ&Aに記載されています。しかし全然意味わかんねえし、なんだそれ?です。
Q:確定申告等は必要ですか?
A:東京都及び区市町村が、各利用者の利用時間数に応じてベビーシッター事業者に支払った金額(公費負担額※)は、各 利用者にとって所得税法上の「雑所得」となり、その他の給与所得以外の所得金額との合計額(下記①又は②)によっ て、以下の申告が必要です。 (※事業者によって異なりますが、この事業の利用1時間あたり2,000円が目安です。各利用者に係る公費負担額につ いては、1月から12月までの合計額を、翌年2月中旬~下旬頃にお知らせします。)
で、結局いくら実質負担することになるのか?
たんごは不妊治療したり、最新の膝の再生医療を試したりと、ここ2-3年は毎年100万くらい医療費を使っています。確定申告で医療費控除をして、毎年2-3割ほどが還付されておりました。そうなると逆に雑所得ということは同様に2-3割負担ぐらいになりそうです。利用約款もサイトに掲載されておりまして、そこを元にざっくり簡易で計算してみることにしました。
第14条(確定申告) 本事業では、各認定事業者が1時間当たり2,160円(税込)(2019年10月以降 は、2,200円(税込))を上限に定めた利用料と、第7条第1項で定める利用者負担額 (1時間当たり250円(税込))との差額を、東京都及び区市町村が公費で負担し、認定 事業者に支払います。 東京都及び区市町村が公費で負担した額は、利用者にとって、所得税法上の「雑所得」 となり、その他の給与所得以外の所得金額との合計額によって、以下の申告が必要です。
上限利用料は2,200円 利用者負担額は250円 その差額は1,950円が公費負担となります。1ヶ月フルタイム160時間を利用すると以下の通りになります。
- 利用者負担 40,000円 (160時間×250円/時)
- 公費負担 312,000円(160時間×1,950円/時間)
税金をざっくり簡易で計算します。雑所得の所得税20%+市県民税10%とする。
- 追加納税額 93,600円 (公費負担312,000円×税率30%)
- 実質負担額 133,600円(利用者負担40,000円+追加納税額93,600円)
これやばい。。。1ヶ月40,000円でベビーシッターと思ってたけど、税金もいれると13万かかるやないか。どこのプリスクールにいれるつもりや。。。
つまり、この東京都のベビーシッター事業は、自己負担250円/時といいながら追加納税分をいれると、実質の負担額は835円/時になる可能性もある。
1年使うことになると私の総所得金額は*370万*上がったことになるのか?これの3割の追加納税きたらだいぶつらい〜〜
*公費負担312,000円/月×12ヶ月
ちなみに控除等や累進課税最大55%ですから、金額は前後するケースもあります。
*下記Kennさんのコメント参照(ありがとうございます!):概算として下記のイメージ添付している国税庁の所得税の早算表で控除なしで%計算したのですが「所得年収695万円(課税所得330万)の実質税率は20%ではなく13.8%で、住民税は7%程度なので、追加の細かい控除を無視しても合計20%前後」とのことです。
( ディスクレーマー:税務の専門家ではありませんし、収入や控除も人によって違いますので、それぞれご自身で計算ください。逆に間違ってたら教えてください )
雑所得扱いはかなりヤバイ
よく考えたな〜というよりもこの仕組みはかなりヤバイわけです。考えれば考えるほどやばいわけです。
- 納税は1年分がくるので一挙に追加納税100万超になっちゃうこともある(保育所がそのまま決まらなかった場合)
- 公費負担分を雑所得ってキャッシュインしてないのに総所得金額が上がる
- 雑所得で総所得金額がつりあがり税率が上がるケースも
- なのに全然わかるようにパンフレットに記載されていない
一般的に雑所得とは普通は副業や仮想通貨とか年金で稼ぎが増えた時に確定申告するわけですが、これは何もキャッシュインしないですから。年収課税所得200万しかないのにフルタイムでベビーシッタつかったら総所得金額が570万になりました!みたいなことが起こるわけです。雑所得扱いで稼いでもいないのに、税率のレンジが上がるケースは最悪です。ベビーシッターの公費負担だけではなくて、全所得に対しての税率があがってしまうわけですから。330万前後のところでは10%→20%に上がるのできついと思います。よくもまあこんなひどい仕組みを考え出せたと東京都をブラボー(嫌味)と思ってしまいますが、これをちゃんと説明せずにちろっと最後に書いているのはちゃんと説明したくないから?邪推してしまいます。
*下記の所得税にプラスして市県民税10%もかかります *課税所得は年収とは違います。源泉徴収表でチェックする。年収→課税所得をこういうサイトで確認してもいいでしょう。https://crypto-theta.com/income-tax-calculation/
東京都やベビーシッター業者のお願いしたいこと
「税務課に問い合わせしてください」の一言で終わらせないで、きちんとパンフレットに実質負担金額のパターンや注意事項を掲載を検討ください。税率は決まっているのである程度想定金額は記載できるはずです。子育てや保活で忙しいパパママたちが全く真っ白の中で保活を続けている中で目安となる金額を知らせるのは最低限必要なことです。私だったら、知らずに分かりにくい説明で後で納税がきたら、消費者庁に訴えます。どうみても時間250円にしかみえないですもの。サービスを提供をするにあたり料金を明確に提示しないのは相当問題です。実際ケースによっては2-3倍の実質費用がかかるケースもあるわけですから、トラブルの元と受け止めて対応お願いしたい。
結論
本当に本当に困った時の最後の隠し球としては考えるが、今のところ都のベビーシッター助成は利用しないことにしました。もちろん、役所にベビーシッター制度を市町村に導入してほしいと直談判もやりません。なによりも、なんだか仕組みがだまし討ちみたいで嫌なんですもの。。。税金を使い、業者は営利目的なのに、きちんと説明責任をはたしていないのは問題があると思います。
保育園もベビーシッターも人件費がかかるものなので高くてもしょうがないと思っています。給料が低くて離職も多いのですから、必要ならば10万でも払います。でもちゃんと説明しないのは道義上問題があると思っています。
最後の落ち
現在19年9月。来年度の予算は確定していないので、来年もベビーシッター助成制度は継続されるかどうかわからないそうです!
最後の最後の落ち
やべ!これ私、私が自分で書いてて、いま気付いたが、、、累進課税ステップアップで税率3割から4割アップになる可能性ある!そうなると総所得分で課税されて月13万どころの騒ぎじゃねえ!汗汗
参考情報:
雑所得とは?計算方法などわかりやすく解説。広告収入や年金も雑所得? | 税金・社会保障教育
追記
たくさんの方が見てくれたようでとてもありがたいです。
特にNewsPicsでコメントいただいた弁護士/税理士の木村亮介さん。「所得税法によれば、不妊治療助成や小児医療費助成は非課税として扱われているものの(所得税法施工令第30条第1号の解釈)、基本的に所得として扱われてしまいます。これは所得税法(国税)の解釈上の問題ですから、東京都が解決できない領域であると言えます。」
なるほど!知見のある方からのコメントを頂けると大変ありがたい。「認可外保育施設の利用者に支払われる補助金」も雑所得扱いになるとの指摘。知らんかった〜〜!これも知らない人多いのでは?
上述の不妊治療助成のように、このベビーシッターや認可外保育施設など子育てに絡む助成は非課税扱いになって欲しいです。
あと、このベビーシッター経費問題もフローレンスの駒崎さんがおっしゃってます。そうなるとフリーランスママが経費化できるととってもいいなと思います。
「飲み代は落ちるのに…」ベビーシッター代、経費にならないのおかしくない? - 税理士ドットコム
少子化や女性を働き手として期待しているのであれば、このへんの税法は変えていかないといけないですね。
(追記)下記のような記事も見つけましたので掲載しておきます。2020年度から&一部税額控除とあるので、内容がよくわからないのですが、今年利用されている人もいらっしゃるので早く対応されるといいですね。
日が経つといろいろと知見があり思い違いもあるのですが、あえて本文はそのままにして修正はわかるようにしておきます。というのは一般利用者がパッと見たときにどう感じるか?この点を大事にしないと制度設計する側に問題点が伝わらないと感じるからです。